卓上3Dプリンターのムーブメントを「その始まり」から追ったドキュメンタリー。
「こんなの面白そうじゃない?」と数人の友人と立ち上げた会社。

当時3Dプリンターは大手が数十万ドルという価格で販売している独占市場。
それを個人が持てる価格まで一気に引き下げようと「メーカーボット」社は動き出す。

資金力、ネームバリューの点からも太刀打ち出来ないものの「オープンソース化」で情報公開することでコミュニティができあがり、ファンによって支えられ、会社は徐々に大きくなっていく。
メーカーボット社のブリーは、Appleのジョブズのようにカリスマ性を増していき、パーソル3Dプリンター界の牽引役となっていく。

と、いう感じで映画始まる。

夢と希望いっぱいに、倉庫を改装して仲間内でワイワイ楽しくやっている姿に応援したくなる。
このドキュメンタリーは見どころがいっぱいあって、ざっくりと書くと。
ライバル(フォームラボ)が出現。 同じく地下の一室を改造して友達とスタート。違うのは3D成形する方式でより高品質なモノが出来上がる。なんだけど、どちらかというとオタクでブリーのようなカリスマ性は皆無。
フォームラボはクラウドファインディングで300万ドルの資金を得たが、出荷が遅れまくりで辛辣なコメントが溢れていく。展示会でも「いつになるの?」と聞かれる始末。
大手が卓上3Dプリンターに乗り込んできた。潤沢な資金力でデザイン性に優れた商品にプレゼン能力に優れた人材で攻勢をかけてくる。しかも「特許侵害」という訴状で波状攻撃。
投資家を得て巨大化するメーカーボットとフォームラボ。しかし、一方で創業時の仲間との決裂。彼らは何かを捨ててしまったのか…。
3Dプリンターで銃が作れる。そのデータを誰でもダウンロードできるように公開されてしまった。「3Dプリンター法規制」となれば市場は萎縮するかも。
このドキュメンタリーのほんとうに面白いところは「人の変化」だと思う。
カリスマだったブリーが段々と仲間からもファンからも嫌われていく様子、オタクだったフォームラボ創業者が段々と人に触れて変わっていく。
 
Netflixだけでしか見られないのがもったないぐらいのドキュメンタリー。
てか、Netflixに入っちゃえばいいじゃんということですな。