「100万回の座学より1回のゲーム研修」その通りだと思う。

いくら知識として詰め込んでも、それを理解するには行動が必要。だけどイキナリ、リアルに行動するにはリスクがある場合もある。
 
その手前に「疑似体験」はとても有効だと思うのだ。
 
例えば「起業しましょう」と学んでもイキナリは行動できない。不安だし、怖いし、後戻りできない。それをゲームという形で体験させてあげれば、多くの時間、お金、人間関係を失う危険性を減らせるはずだ。
ま、これはいずれ私が作ってみたいゲームの話だけどね。
 
今日はゲーミフィジャパン主催の「企業研修」に使われることを前提とした研修ゲーム体験会に参加してきた。
これは「うつサポート」の学習をゲーム化したもの。対象者の精神的不安定さをカードタワーの不安定さで表しており、(イベントカードで)積み上げるにしても、取り除くにしても慎重に対処しなければならない。
 
ゲームのベースは「キャプテンリノ」からヒントを得ている。
だけど、その目的とマッチしててこれを選んだのは良かったと感じる。
実際のサポートを「周りの人が協力し合うこと」が重要で、慎重に慎重に対処が必要であることが「疑似体験」できるのだから。
うつという深刻になりがちで眉間にしわを寄せながら学ぶことが多そうだけど、もっとライトな気持ちで学ぶほうが理解も早いという説明があったけど納得。

もう一つ、面白かったのが「ヒーローインタビュー」。インタビューという形を取りながらコミュニケーションの取り方を体験できる。

ゲームというアイテムがあることで研修という講師を招いて毎回開かなくても、仲間内だけで疑似体験をすることができるのが「ゲーム化」の良いところ。
 
このゲームでは「話し方の可否」「改善方法」が自然と表現されるようになっていて、「で、どうするの?」という研修講師不在時にありがちな問題にも対応していたことに感心した。

さて、いくつか紹介されている中で一際異彩だったのは「アイコンタクトだけで問題解決を目指す」という「龍勢」。え!?と思ったよ。
宇宙開発をしつつ、同時発生するトラブルに誰がどこを対応するのかを割り振るというもの。


ただ「アイコンタクトで」というとリーダーとしての資質を問うような感じに思えるけど、実際には「リーダーが何を思っているのか?」という部下を鍛えるためのゲームというほうが正しい。
もしかしたら、それが裏テーマ扱いになっているのかもしれないけど、表のテーマにするべきだと思う。
「アイコンタクトで伝える」と言われてもさっぱりゴールが見えない。それよりも「アイコンタクトしかできないリーダーの意思を汲み取ろう」という目的のほうがわかりやすく「なんとかなる」と思える。
なんとかなると思えるから、参加してみようと思うのだから。


さて…沢山のゲームを見てきたけど「すごい」と思ったものもあれば、「うーん」と言わざるを得ないものもある。

「ゲームを通して学ぶ」ということがメインであることは分かるけど、「この部分で〇〇が必要であることがわかるんです」と口頭で説明されてもピンとこないものがある。
本当であれば、ゲームに参加した人から「〇〇が必要ということですね!」と言わせるような結果を出させるようにしないと。気づきがあること、それがゲーム化の最大のメリットだと思うから。
 
一部にはそんな甘さのあるゲームもあったけど、研修のゲーム化にはとても期待できると感じた。やはり疑似体験は大切だ。